MG物語 第6話 年相応

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この仕事は面談だけしていれば良いって訳でもなかった。
面談をしている時間よりも、圧倒的に事務処理でパソコンを使っている時間が長い。

面談の前には事前準備、質問内容や相談内容をしっかりと把握するためにメールでのやり取りは欠かせない。
面談が終われば、今度は社内の情報共有データベースへの入力。
そのあとは企業に報告するためのレポート作成。

とまぁ、OA事務とも呼ばれる仕事くらいにはパソコン操作の多い仕事だ。

パソコンを使い過ぎたのか、やれ何色ライトだか、パソコンからの受ける目の刺激が良くないらしい。
疲れ目に効くって書いてあった“サンタクロース”みたいな名前の目薬も欠かしていない。

けれども15時くらい。
小腹が空いておやつを食べる時間帯にもなると、目の疲れがだんだん酷くなってくる。


パソコンの画面は、うまくピントが合わないような感じでイライラさえわき上がってくる。
眠いって訳じゃないんだけど、瞼も落ちてきてウトウトしてるように見えるらしい。

「部長~、やっぱり40過ぎると目も疲れやすくなるもんですかね?」
「あぁ具志堅さんもそんな年齢かー。見た目は若いけど、もうおっさんの仲間入りかね?ハハッ。
私は40前から老眼鏡持ってたよ。だから別に不思議もないんじゃないかな。
ほれ、目薬だって40過ぎに向いてる成分だなんて宣伝してるじゃないの。
いろいろ出てくるもんだよ。中年から壮年に向けて体質も変わってくるでしょうな。」
「なるほどー。最近どうにも午後にもなると目がシパシパしてきましてねぇ。」
「あー、あるある。そんなもんだよ。」

確かにいわれてみれば、ヒゲにも白い物が混じっている。
そりゃ40歳も過ぎればいろいろと体に変化が出てきても仕方がないだろうな。

でも常にダンディズムを追究していたボクに隙はなかったのだ。
健康のために通勤では早歩き。
会社の食事会でも、まず食べるのはサラダから。
血糖値にも気をつけて、コレステロールの値もばっちりだ。

健康診断では常にA判定の健康優良児だからこそ、堂々とした態度で余裕を持った対応が可能ってことだね。
健全なる精神は健全なる身体に宿るってね。

老眼鏡かぁ。
今度奥さんと一緒に眼鏡屋デートでもしてみるかな。

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